ついに実物に出会って…

大河ドラマ『光る君へ』の第2回が放送された1月以来、ずっと気になっていたことがありました。まひろが飛ばして道長に当てたサンダルのような履物

昨日12月7日 京都・宇治大河ドラマ展会場で見つけました!

草履の設定にしてるとは?! 


平安時代 国風文化の時代、サンダル型の履物があった事実は残っていません。ただ草履は実物が残っていない(発掘されない)ので、なかったとは言い切れないとは思いますが。

3月に出版した拙著『平安ファッションの世界』を執筆&イラストをあたり、沢山の資料を見た中にサンダル型は無く、歯のない(草履っぽい)履物が描かれたものはあるのですが、やはり鼻緒式でした。

どうしても確かめたくて4月に大河ドラマ『光る君へ』のオープニングの平安時代の街並みの映像を提供している京都市平安京創生館に伺いました。そこにはやはり鼻緒式の下駄の発掘品しかありませんでした。


写真の奥の方は、浅沓で、前の方が下駄ですが、どれも3箇所に穴があります。

そして、9月に京都市考古資料館で開催されていた『ファッションの考古学』展に伺い、常設展でも特別展でもチェックしたのですが、やはり「まひろ」のサンダル草履はありませんでした。2週間後に館長の説明を受けながら見学が機会を得て、質問してみたところ、やはりサンダル式は平安(紫式部が生きた)時代には無かったそうです。

上段の少し歯の高い高下駄は、洗濯など水仕事(排泄時も含む)の時に履いていたようです。絵巻ではもっと歯が高いですが、経年劣化で削れたのかもしれませんね。

今回、撮影に使われた現物の草履を見て、さすがNHKだなと思ったのは…

下駄にせずに草履にしていた事です。最初にも書きましたが、1000年前の草履は残っていないので無かったとはきっと誰も言い切れないという、つまりあったかもしれない?!になるということなのでしょう。履物を飛ばして人に当てる設定なので、鼻緒では飛びにくいし、木で出来た下駄では当たった時に怪我をしかねい・・・よく考えているなぁNHKさん

以上、一年間のモヤモヤを解決した報告でした。

『光る君へ』は来週が最終回だそうですが、平安時代の装束について気になった方は、拙著『平安ファッションの世界』で図解してますので、ぜひ、ご覧ください。


エイフレッシュ Katsuko

お洒落で機能的をコンセプトに、エシカルな着物地使用のベレー帽や和雑貨企画製作、着物アップサイクル💗 2020夏、2000年の被服文化史年表・蛇腹本2冊組「着物で紡ぐ日本の歴史」、2021.10 著書[着物は時代を物語る]をPOD出版 2022より着物アップサイクル「一糸想伝®︎」プロジェクト始動、2024.3 『イラストでみる 平安ファッションの世界 皇族・貴族から武士・庶民まで』全国販売

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